前期の前期(1965年10月〜1966年9月)

 歴代130の中でもっとも稀少と言ってもいいグループです。実は、Hiroもこれが最初欲しかったのですが、なかなか見つかりませんでした。
 ピニンファリーナの元のスケッチは公開されていませんが、大きくとられたラジエターグリル、リアがひさしのようになったルーフ、エンドが下がったトランクなど、当時ピニンファリーナがよく手がけていたデザインがよく現れています。
 テールランプは六角形の独特なものです。3分割された一番上はウインカー(アンバー)ですが、リアにアンバーのウインカーを採用したのは130ではこのモデルだけです。前世代の31系セドリックでも最終型はアンバーのウインカーでした。なぜこの時アンバーのウインカーを採用しておきながら、後に赤のウインカーになってしまったのか、不思議なところです。
 1966年に入り、小変更が行われ、上級グレードにはテールランプとナンバープレートの間にリアガーニッシュ(化粧板)が追加されました。
一説によると、リアスタイルが高級車の割には貧相に見えるから、リアガーニッシュでもつけて『豪華』に見せようという苦肉の策だったようです。
1965年型も、オプションとしてリアガーニッシュが後付けされたものがあります。
これを無理やり剥がしてオリジナルデザインに戻したのはセドリック130オーナーズクラブの代表・一番星さんです。(^_^;)


 当初設定されたグレードは以下の通りです。
 外観上はグリル、エンブレム、窓周りモール、オーバーライダー、リアガーニッシュなどで区別されています。
 6(シックス)はスタンダード6とも呼ばれていたようですが、エンブレムの表記は「six」のみです。

グレード名 形式 エンジン・キャブレター 出力 最大トルク
スペシャル6 H130 L20(OHC直6 1998cc)+SUツインキャブ 115ps/5200rpm 16.5kgm/4400rpm
カスタム6  P130 J20(OHV 直6 1973cc)+シングルキャブ 100ps/5200rpm 15.5kgm/3600rpm
6(シックス) P130S
ワゴン6  WP130
バン6   VP130
デラックス  130 H20(OHV 直4 1982cc)+シングルキャブ 92ps/4800rpm 16.0kgm/3200rpm
スタンダード 130S
ワゴン   W130
バン   V130
LPG    130P 80ps/4800rpm 15.0kgm/2800rpm
ディーゼル Q130 SD20(OHV 直4 1991cc)+シングルキャブ 60ps/4000rpm 13.0kgm/1800rpm

 ミッションは全車コラムシフト。フロアシフトはありません。前進3段・後進1段です。
ただしバンのみ前進4段・後進1段(4速目は1.000直結)です。
オプションでボルグワーナー製のオートマティック(前進3段・後進1段)が選べました。もちろんコラムシフトです。
 ブレーキはスペシャル6のみ前輪ディスク+後輪ドラム、他のグレードは前後輪ドラム。
 定員は6名。ワゴンはサードシートが後ろ向きに付いて(!)8名となります。
シートはスペシャル6のみ前席セミセパレートシート(6:4分割)で、他のグレードはリクライニングすらありません。
ただし、セパレートシートがオプションで、これを付けると定員が5名となり、リクライニング可能となります。

★前期の前期のお写真★





写真上 左は我らが130クラブの代表・Hさんのスペシャル6。
      前述の通り、リアガーニッシュが後付けされた最初期1965年型。
      右はcrown130-mさんのデラックス。4気筒モデルは残存個体も非常に少ないです。
写真中 左はUさんのワゴン。ワゴン自体少ないのに4気筒モデルです。
      右はAさんのシックス。珍しいグレードです。車台番号は1000番台、極めて初期です。
写真下  ぷっちレスさんのカスタム6。リアガーニッシュがついた1966年型です。
      グリルがスペシャル6と違い、シンプルな格子状になっています。

なお、下の写真はながたさんご提供です。
前期の前期のカスタム6です。当時からのナンバーがついていました。(1990年4月撮影)