後期の後期(1969年10月〜1971年1月)

 最終型の130です。
装備の面、性能の面において完成された130といっていいでしょう。
そのためでしょうか、現存する数も多く、ナンバー付きで現役で稼動する130の大半は後期の後期といってもいいと思います。
このノウハウが、次のモデル(230系)に引き継がれて行くのです。

 スペシャル6の上にスペシャル6GL(以下GL)が設定されました。
パワーステアリング・パワーウインドといった豪華装備が付きます。
L20型エンジンは新型となります。(L20A)これによりエンジンの信頼性・メンテナンスの向上が飛躍的に図られました。

グレード名 形式 エンジン・キャブレター 出力 最大トルク
スペシャル6GL H130MH L20A(OHC直6 1998cc)+SUツインキャブ 130ps/6000rpm 17.5kgm/4400rpm
H130BMH L20A(OHC直6 1998cc)+シングルキャブ 115ps/5200rpm 16.5kgm/3600rpm
スペシャル6 H130 L20A(OHC直6 1998cc)+SUツインキャブ 130ps/6000rpm 17.5kgm/4400rpm
H130B L20A(OHC直6 1998cc)+シングルキャブ 115ps/5200rpm 16.5kgm/3600rpm
カスタム6  H130V
パーソナルDX H130Q
パーソナル6 H130S
ワゴン6 WH130
バンDX VH130
スタンダード 130S H20(OHV 直4 1982cc)+シングルキャブ 92ps/4800rpm 16.0kgm/3200rpm
バン   V130
LPG    130P 80ps/4800rpm 15.0kgm/2800rpm
ディーゼル Q130 SD20(OHV 直4 1991cc)+シングルキャブ 60ps/4000rpm 13.0kgm/1800rpm

 また、パーソナルデラックス・バンデラックスが設定され、パーソナル・ワゴンのエンジンもL20になりました。
これにより、J20型エンジンは消滅しました。
タイヤは13インチから14インチに変更されます。(バン系は13インチのまま)
フロントドアの三角窓は後期の前期の時はダイヤルで開閉するタイプでしたが、歩行者保護を考えて(歩行者がぶつかった時に動かないので危ない)
マイナーチェンジ後はレバーでロックするタイプに戻されました。ただし、レバーの位置が三角形の斜辺に付いています。意外と珍しいです。
 ミッションは全車コラムシフトです。GL・スペシャル6・カスタム6・デラックス6・ワゴン6は前進4段・後進1段オーバードライブ付き。
他のグレードは前進3段・後進1段です。バンは最終段が直結の前進4段・後進1段です。

オプションのオートマチックは日産フルオートマチック。コラムにつきます。
1970年6月からはフロアオートマチック仕様が追加されます。フロアのマニュアルは結局存在しませんでした。(現在あるものはオートマチックから換装されたものです)
 ブレーキはGL・スペシャル6には前輪ディスク+後輪ドラム。Gバルブ付きです。他のグレードは前後輪ドラムです。
 また、1970年6月の小変更でGLにはICレギュレータ内蔵オルタネータが標準装備となりました。我が国初のICオルタネータ装着車です。
 このあとHA30系グロリア(タテグロ)のGL、150系プレジデントにも装着されます。(この辺の記述はサービス週報でもほとんど触れられておらず、サービス回章498号に記載があるそうです。お持ちの方、拝見させてください)
 定員はGLは前席がセパレートシートで5名。他のグレードは6名。ワゴンはサードシートが後ろ向きに付いて8名となります。
シートはスペシャル6のみ前席セミセパレートシート(6:4分割)で、他のグレードはリクライニングなしです。
GLを除き、パワーステアリング・セパレートシートはオプションで対応していました。(無理なグレードもあります)

また、1970年6月以降と思われますが、パーソナルデラックスVというモデルもありました。
パーソナルデラックスをベースに、レザートップ、アームレスト兼用コンソールボックス、パワーアンテナ、本革製カバーがついたステアリングとシフトレバーなどの
追加装備があったようです。(現存車は確認できていません)

※カタログ表記などでは、スペシャル6・カスタム6・ワゴン6・パーソナル6の「6」が抜けていますが、
 エンブレムに従い、あえて略さずに表記しております。予めご了承ください。

★後期の後期のお写真★





さすが、現役車が一番多い後期の後期なんで、写真選ぶのに苦労しました。(^_^;)
写真上 左はますさんのスペシャル6GL。右はYさんのスペシャル6。エンブレム以外、外観で両者の差は特にありません。
      ただ、GLについてはフロントフェンダー下にマークがつくものとつかないものがあり、年式で差がつけられているようではなくはっきりしていません。
写真中 左は核弾頭Nさんのカスタム6。ばっちりオリジナルです。右はながたさんがいぜんお持ちになっていたパーソナルDX。
写真下 左はこばんさんのパーソナル6。エンブレムのバッチは正式にはエンジ色です。(赤が6気筒車、青が4気筒車)
      右はこばんさんさんのバンデラックス。リアゲートは上へ跳ね上げるタイプです。珍しいグレードです。しかもAT。


 とどめに、珍しい画像を。輸出用のテールランプがついています。ながたさんご提供、1991年1月の撮影です。
端が独立したアンバーになります。ちょっと見にくいですか?
このクルマのグレードはスペシャル6のようですが、現車が本当の輸出仕様かどうか詳細は不明です。
(輸出仕様はスペシャル6というグレード名ではなくスーパー6になります)